【一種入魂】Apistogramma lineata

一種入魂シリーズ2回目はコロンビア産アピストで不動の人気種、リネアタ。

リネアタと言えばヒレがデカくて頬赤、いわゆる背鰭系アピストの中でもトップクラスに派手な種類ですね。

一度仕上がってしまえば、見ごたえはエリザべサエ同等かそれ以上。コロンビア産アピストでは珍しい映えるお魚です。

頬のパターンは個体差でざっくり2タイプに分かれていて、
・オレンジ~赤が広く入るタイプ
・オレンジとワインレッドの隈が入るタイプ
がいるようです。画像の個体は後者ですね。

この個体は2023.8にアクアFに入った、通称”アルタムついで便”の個体。コロンビアアルタムの生息地と近いんでしょうね。このタイミングの便は毎年リネアタやホイグネイなど、大きめのサイズで来る印象です。

導入時(尾ビレ大丈夫か?)
導入後1週間(背ビレは治った〜)
導入後1ヶ月(尾ビレも完治!!!)

■生息地

本種の生息地(文献記載地)はアタバポ川です。コロンビア-ベネズエラ国境を流れるオリノコ川とその支流にあたるグアビアーレ川との合流地点から南に流れる支流ですね。よくホイグネイやメガプテラと一緒に日本に来る印象です。

■飼育方法

リネアタは健康的にかつ綺麗に維持するのは少々コツが必要です。イメージは、

飼育難易度(生かすだけ):★★★☆☆(6.0/10.0)

飼育難易度(健康的に維持):★★★★☆(8.0/10.0)

といったところ(スコアは完全に主観です)。

“生かすだけ”というのは読んで字の如く、生きていればOKという状態を想定した飼育難易度です。
“健康的に維持”というのは発色維持、ヒレ溶けなし、体の肉をこけさせない、肌荒れさせない等、綺麗な状態で維持することを意味しています。

特にこの”背鰭系”のアピストは硝酸塩の増加にめっぽう弱く、ぽっくり逝くことはないまでも、水が悪くなると背鰭や腹鰭が溶けやすいです。背鰭は溶けても軽微であれば何とかなるんですが、腹鰭は。。。ほとんど再生不可です。

という意味で、少々飼育にはコツがいります。なので、飼育(水づくり)には少し注意が必要です。流石のオリノコ上流域産で、いわゆる低pH/超軟水が適してます。私がオススメする水質セッティング(健康的な維持用)は、

 pH:4.5-5.5

 GH/KH:>1°dH

 ⇒TDS値で言うと計測値をすべてミネラル分と仮定した場合(あり得ないですが)、20-40ppm程度になります。

 もちろん硝酸塩は低濃度で維持。高頻度の大量換水(50%/週)でもいいくらいです。

上記の水質でないと絶対に綺麗にならない!というわけではないですが、私の経験上これくらいのセッティングだったら安心かな、という温度感です。加えて、pHよりかは硬度や水の清浄度に焦点を当てて維持した方が上手くいきやすい印象です(低硬度水にピート等を入れておけば自ずと上記のpHくらいにはなりますので)。

水づくりについて、まずお住いの地域の水道水がTDS値20-40ppm程度の超軟水の皆様は勝ち組です。そのままピート(アクアバイタル等)を水槽にぶち込んでおけば勝手に綺麗になると思います(羨ましい!笑)。

問題は硬度が高めの地域。首都圏であればまず飼育水に使う水道水には硬度を落とすために何かしらの前処理をした方が賢明です。
①ソイルの汲み置き(時間はかかりますがコスパ◎)
②pHマイナス/ピート顆粒の併用(短時間でできコスパ◎だが、立ち上げ直後は不安定、慣れが必要)
③純水用イオン交換樹脂で前処理(短時間でできますがコスパ×、TDSは下げられます)
④R/O水の併用(短時間でできますが、コスパ△、TDSは最小5ppmくらいまで下げられます)

という方法でそれっぽい水が作れますが、あくまで数値と生体の状態を照らし合わせながら皆さんの環境にあった方法を選ぶのがいいと思います。私の場合は②④の併用で、立ち上げ用の水と換水用の水は④、水槽内のpH維持/KH上昇防止のために②(pHマイナスは無し)を入れています。

色々と理想論をお話ししましたが、結局は生体が健康的であれば管理方法はなんでもいいと思います。笑

TDSという値に頼るのは実は少々乱暴なのですが、ざっくりの目安にはなるのでTDSメーターは一本持っておいて損はないです。

底床の汚れは腹鰭の欠損、硝酸塩が濃い場合は背鰭等の欠損につながりますので、換水時にこまめに掃除をしてあげると綺麗なままで維持できるかと思います。

餌ですが、ブラインや人工飼料等よく食べ、植物系の餌も好むようです。スピルリナやコケも食べていました。
あまりに餌を絞りすぎると背肉がこけ、肌つやが悪くなるのでご注意ください。

■繁殖

繁殖は健康的に飼育できている環境であれば比較的容易です。

繁殖難易度:★★★☆☆(7.0/10.0)

といった感じ。雌雄間の小競り合いもルーテンバンドみたいに激しくないですし、メス個体がムチムチしていれば問題ないと思います。セパレートしたまま繁殖には適さないようで、我が家では合流させないとだめでした。。。

また長ったらしく書いてしまいましたが、折角の美種ですので綺麗なままで維持できると、めんどくさい管理も報われるかと思います。

ではでは。

Taka

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